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粘着剤を知る

粘着剤の悩み「薄くすると剥がれる」

課題・悩み

粘着剤においてはさまざまな用途で薄くすることが求められていますが、粘着剤層の薄膜化を行うと剥がれやすくなるという問題が生じます。

スマートフォン・タブレット・テレビなどの電子ディスプレイ
などに使用されている飛散防止フィルムを薄膜化すると、衝撃で剥がれやすくなります。

スマートフォン・タブレットなどの電子機器のバックライト額縁
に使用されている粘着剤は、電子機器の軽量化や薄型化に伴い厚さを薄くすると、粘着強度の不足で接着部が剥がれやすくなります。

剥がれの原因

スマートフォンやタブレット・テレビなどの電子デバイスは薄型化が進んでおり、使用されている粘着シートも薄膜化していく必要があります。

粘着剤を薄く塗り使用量を減らすと、コストやエネルギーの削減にはなりますが、薄膜化し粘着剤層が減少してしまうことで、粘着力が低くなり剥がれが生じてしまいます。

電子ディスプレイ用途では、「へこみ」などの外観不良防止のため高弾性設計の製品が多く、低粘着力化しやすいことが剥がれの原因になります。

また、被着体との相性によって、十分な粘着強度が得られないことも剥がれの原因の一つになります。

綜研化学からの提案

当社では、「薄膜化」に対応する製品として、被着体や用途に応じて「SKダイン1838」と「SKダイン1515DT」の2種類のご用意がございます。

電子ディスプレイの飛散防止フィルム用途=SKダイン1838

SKダイン1838」は無色・透明で、視認性が求められるものに適しています。
被着体がガラスなど、光学用フィルムなどへの使用が想定されます。

「薄膜化による剥がれ」を解消するには、薄膜化してもガラスへの粘着力が高いことが必要です。
膜厚10μm以下においても剥がれが生じないなどの要求が想定されます。
薄膜化にあわせ、対ガラス接着性を向上させる機能があることで解消できます。

当社製品では「SKダイン1838」が、薄膜化しても剥がれない機能を備えています。
*SKダイン1838には、環境対応した製品もご用意がございます。

電子デバイス用途=SKダイン1515DT

電子デバイスの薄型化により、内蔵されている部品も薄型化が進んでいます。
薄型化した電子部品を固定するための粘着テープにも、薄膜化の要求が想定されます。

当社ラインナップで最も粘着力の高い「SKダイン1515DT」は、薄膜両面でも、剥がれが生じません。
薄さと粘着力が求められる電子部品などに適しており、「剥がれ」の悩みを解消できます。

SKダイン1838

対ガラスの粘着力比較試験

SKダイン1838は、一般品と比較してガラスに対する粘着力が高いです。

粘着力とは粘着力とは

粘着力試験では、被着体から剥がすときの力を測定し、剥がれにくさを評価します。
例えば、段ボールに貼りついたテープを剥がす時、「どれだけの力で剥がれるか?」が粘着力です。
高ければ高いほど、被着体にしっかりと貼りついていることを示しています。
粘着力は測定温度、被着体の材質などに大きく影響を受けます。

対ガラス粘着力試験の説明

この試験では、ガラスとして一般的な「アルカリガラス」と、アルカリを含まず耐薬品性に優れディスプレイ用基板材料等に用いられる「無アルカリガラス」の2種類の被着体にテープを貼り、粘着力を評価します。

「ACあり」は、オートクレーブ(加圧処理)により、テープ貼り合わせ時の空気を取り除き被着体に完全に密着させています。

結果

SKダイン1838は一般品と比べて、ガラスに対する粘着力が高く剥がれにくいです。
へこみを防止するために、高弾性設計でありつつも粘着力も高い粘着剤です。

  • 粘着力比較試験のイメージ
  • 被着体粘着力(N/25mm)
    一般品1838
    ガラスアルカリ
    ACなし
    17.620.8
    アルカリ
    ACあり
    20.023.9
    無アルカリ
    ACあり
    20.426.6

    試験条件
    被着体 :ガラス(アルカリ、無アルカリ)
    膜厚  :25μm
    基材  :50μmPET
    試料幅 :25mm
    剥離角度:180°
    剥離速度:300mm/min
    測定条件:23℃ 50%RH
    圧着条件:2kgローラー3往復
         (ACあり:70℃×5atm×30min)

「薄膜化すると剥がれる」のイメージ

薄膜化すると剥がれる のイメージ

ディスプレイ薄型化に伴い、粘着剤も薄膜化していく必要があります。
薄膜化するということは、図のように粘着剤層が減少することを示しています。

粘着剤は、粘着剤層全体で剥がそうとする力を抑え剥がれないようにしているため、粘着剤層が減少すると粘着力が低くなります。

薄膜化したテープは、落とすなどの衝撃が加わると被着体にそのまま貼りつくことができず、剥がれが生じやすくなります。

SKダイン1838について

想定用途

薄膜化対応として:
・電子ディスプレイの光学用フィルム・飛散防止フィルム
・その他、コストダウンを目的とした薄膜化が必要な箇所

ガラス接着として:
・自動車用フィルムアンテナ
・ETCアンテナ、ドライブレコーダーの貼り付け
・ガラス用ラベル
・ガラス装飾用フィルム
・その他、ガラスへの強い粘着力が必要な箇所

SKダイン1515DT

粘着力比較試験

SKダイン1515DTは薄膜強粘着性に優れており、どの膜厚でも一般品より強い粘着力を発揮できます。

粘着力比較試験の説明

テープ構成(片面・薄膜両面)による粘着力の変化や膜厚の違いによる粘着力の変化を評価しています。

結果

本試験条件ではテープ構成の変化及び膜厚変化のいずれかにおいても、一般品よりSKダイン1515DTは高い粘着力を示しています。

また、15μm厚では、SKダイン1515DTは、一般品の50μm厚と同程度の値を得ています。

SKダイン1515DTは、薄膜でも強粘着力を維持でき、ステンレス、ガラス、ポリカーボネート、アクリルなど被着体へ高い密着度を発現します。

  • 粘着力比較試験のイメージ
  • 試験条件
    被着体 :ステンレス(SUS)、ガラス(Glass)、ポリカーボネート(PC)、
         アクリル(PMMA)
    試料幅 :25mm
    試料構成:①片面
          粘着剤層25μm/基材25μm PET
         ②薄膜両面
          粘着剤層2μm/芯材2μm PET/粘着剤層2μm/基材6μm PET
         ③片面
          粘着剤層2〜50μm/基材25μm PET
    剥離角度:180°
    剥離速度:300mm/min
    養生条件:23℃ 50%RH

  • 粘着力比較試験の結果 1)片面
  • 粘着剤粘着力(N/25mm)
    SUSGlassPCPMMA
    一般品18.017.017.618.8
    1515DT23.020.0 18.724.4
  • 粘着力比較試験の結果 2)薄膜両面
  • 粘着剤粘着力(N/25mm)
    SUSGlassPCPMMA
    一般品4.94.14.74.7
    1515DT7.45.2 5.05.4
  • 粘着力比較試験の結果 3)膜厚依存性 片面
  • 被着体膜厚(μm)粘着力(N/25mm)
    一般品1515DT
    SUS25.46.1
    510.311.3
    1517.222.4
    2518.026.0
    5022.733.1

SKダイン1515DTについて

想定用途

・スマホ、タブレット端末の筐体とパネルの固定
・スマホ、ウェアラブルなど電子デバイスの部品固定
・金属、プラスチック銘板の取り付け
・広告、看板の掲示
・床材の固定

電子デバイス用途の例

電子デバイス用途の例:極薄強粘着テープ。適用部位・用途:バックライトユニットとLCDの固定。特徴:厚み極薄、遮光性、接着力。薄型化、高コントラスト、大画面化に貢献

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