粘着剤を知る
粘着剤の悩み「熱・振動で剥がれる」
課題・悩み
スマートフォンなどの電子デバイスは、「発熱や振動」の影響を受けると、固定部品が剥がれやすくなります。
発熱や振動の影響がある箇所として、
・電子部品
・ディスプレイ周り
・洗濯機(ボタンスイッチ部分)
などが挙げられます。
これらは常に振動や熱が発生する部分であり、「剥がれ」が生じてしまうと正常に動作できない可能性がある、非常に重要な箇所でもあります。
剥がれの原因
電子部品の固定用テープは大きさや形状が様々で、「耐熱性」や「耐応力性」が不足すると剥がれが生じます。
綜研化学からの提案
スマートフォンなどの電子デバイスは、長時間使用すると内部からの熱が溜まって熱くなりやすいです。
これに対応するため、熱をかけても粘着力を維持できる粘着剤が求められてきました。
また、電子デバイスの落下時の衝撃や電化製品の振動に耐えられるよう、粘着剤の応力緩和性も重要になります。
このような状況においては、耐熱性及び耐応力性の高いSKダイン™1701DTで、剥がれの問題を解消できます。
高い応力緩和性(定荷重剥離試験)
SKダイン™1701DTは、高い応力緩和性を示しています。
応力とは、外力を受けたとき、部材内部に発生する内力のことです。
粘着テープを剥がす時に、粘着剤の応力が生じます。テープに一定の力を加えると変形し、剥がれやすくなります。応力緩和に優れた粘着剤は、剥がれようとする力に耐えることができ、しっかりくっつきます。
定荷重剥離試験の説明
定荷重剥離試験は、被着体に粘着テープを貼って水平に保ち、そのテープの下に荷重をかけ、剥がれにくさを評価する試験です。
剥がれた距離の数値が小さいほど、粘着テープに荷重をかけた際の抵抗力があって剥がれにくいテープです。また、粘着テープの端部に荷重をかけると応力が発生し、その応力に耐えられなくなるとテープが被着体から剥がれ落ちる場合があります。
定荷重剥離力は測定温度、被着体の材質、粘着層の厚さなどに大きく影響を受けます。
今回の試験では80℃の環境下でテープに荷重をかけ、1時間後にテープがどれだけ剥がれるかを評価します。ステンレス板やポリプロピレン板に対し、粘着剤の厚みは10〜30μmと、厚みを変えて評価を行いました。
結果
SKダイン™1701DTは、80℃の環境下でも剥がれにくいことが確認できています。
特にポリプロピレン板につけたテープは、一般品は全て剥がれ落ちたのに対してSKダイン™1701DTでは、1時間後剥がれた距離が1〜3mmと剥がれが小さかったことが分かりました。
SKダイン™1701DTは非常に優れた応力緩和特性を発揮し、ステンレス板でもポリプロピレン板でもテープが剥がれにくく、しっかりくっつきます。
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被着体 塗布厚(μm) 剥がれ(mm)/↓:落下(min) 一般品 1701DT SUS
(80℃)10 22'↓ 3 20 34 0 30 16 0 PP
(80℃)10 10'↓ 3 20 18'↓ 1.5 30 37'↓ 1 試験条件
被着体 :ステンレス(SUS)、ポリプロピレン(PP)
貼り付け面積:20x50mm2
荷重 :100g(80℃ SUS)、50g(80℃ PP)
圧着条件 :2kgローラー3往復
養生条件 :23℃ 50%RH ×1hr
SKダイン™1701DTについて
想定用途
・スマホやテレビなどのディスプレイ周辺の固定
・電子部品やモジュールの固定、部品同士の固定
・洗濯機の操作用パネル、操作スイッチ