粘着剤を知る
粘着剤の悩み「曲面で剥がれる」
課題・悩み
自動車内装部品などは、「曲面」など複雑な形状が多く、剥がれやすいことが多いです。
例えば、
・ドアの内張りやルーフ
・ワイヤーハーネス
などが挙げられます。
そのほか、円柱ポスター・エアコン配管・排水ホース補修といったように、身の回りでもテープなどを曲面に貼るシーンは多く存在します。
このような場合において、曲面に貼り付けると、平面に比べ「剥がれやすい」のが悩みとなっています。
日常のあらゆる場面で「曲面での粘着力」は非常に重要な課題となっています。
剥がれの原因
粘着シートやテープを貼り付ける対象物は、平面形状・曲面形状などさまざまな形状があり、曲面形状においては「基材のコシにより戻ろうとする性質」のため剥がれやすくなります。
また、オレフィン素材など難接着素材も多く、応力緩和性が不足し剥がれが生じます。
綜研化学からの提案
粘着テープは、曲面に貼ると、基材のコシにより戻ろうとします。
オレフィン接着性および応力緩和性の高いSKダイン™1701DTで、剥がれを解消できます。
対ポリプロピレンの曲面反発試験
SKダイン™1701DTは、ポリプロピレンなどのオレフィン曲面への貼り合わせに優れています。
基材が曲がった状態から元に戻ろうとする力のことです。
耐応力性に優れた粘着剤は、その基材が戻ろうとする反発力に耐えつつ被着体にしっかり接着できます。
曲面反発試験の説明
曲面反発の試験は、粘着テープが曲面に貼られた時基材が元に戻ろうとする力に対して、粘着剤がどれだけ耐えることができるかを評価する試験です。
曲面に貼り付ける用途として発泡体を基材にしたテープがよく使われているため、今回の試験では発泡体テープをポリプロピレン円柱に貼り付けて、80°C 24時間後に剥がれるかどうかを評価します。
曲面接着性があるとは、時間が経っても発泡体テープがポリプロピレン円柱から剥がれることなくしっかり貼り付いていることを指します。
結果
画像の通り、SKダイン™1701DTは対オレフィン接着性や耐応力性に優れているので、曲面にも貼り付けられます。剥がれが発生する原因としては、ポリプロピレンとの界面の密着性が悪いこと、耐応力性が乏しいことが挙げられます。
粘着力比較試験
SKダイン™1701DTは、一般品に比べて高い粘着力が得られています。
粘着力比較試験の説明
粘着力は、貼り付ける被着体の素材により大きく異なります。こちらの試験は、ステンレス板やポリカーボネート板に分けて粘着力の試験を行います。
ポリカーボネートは、自動車内装部品等に多く使われており、高温環境下で使用されることを想定し、80°Cで評価しました。
また、粘着剤の厚さを変えて粘着力はどのように変わっていくか、SKダイン™1701DTと一般品での違いを評価します。ステンレス板の部分は常温下で行います。
結果
ステンレスやポリカーボネートへの接着性において、SKダイン™1701DTは一般品より接着力が高いことが確認できています。
SKダイン™1701DTは、片面10μmでは一般品の約1.6倍の粘着力を持ち、一般品の30μmの際と同等の粘着力になっています。
両面テープでも、片面テープでの評価と同様の結果が得られており、SKダイン™1701DTは、薄膜且つ高温において極めて高い性能を示しています。
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被着体 塗布厚(μm) 粘着力(N/25mm) 一般品 1701DT SUS 25 12.2 14.0 PC
(80℃)10 10.5 16.7 20 14.7 19.2 30 16.7 23.1 両面10,10 10.3 15.1 両面30,30 16.6 23.8 試験条件
被着体 :ステンレス(SUS)、ポリカーボネート(PC)
試料幅 :25mm
試料構成:片面 粘着剤層 10,20,30μm/基材 25μm PET
両面 粘着剤層 10,30μm/芯材 25μm PET
/粘着剤層 10,30μm/基材 25μm PET
剥離角度:180°
剥離速度:300mm/min
測定条件:23℃(SUS)、80℃(PC)
圧着条件:2kgローラー3往復
養生条件:23℃ 50%RH
SKダイン™1701DTについて
想定用途
・車のドア内張
・車のダッシュボード
・車用シート
・センターコンソール
・ルーフ、ワイヤーハーネス
・円柱ポスター、エアコン配管、排水ホース補修など