粘着剤を知る

《光学用粘着剤の事例》スマートフォンや液晶ディスプレイなどでSKダイン™が活躍

アクリル系粘着剤「SKダイン™」は、綜研化学を代表する製品です。
みなさんが日常生活で目にする、両面テープや付箋、ラベルなどの他に、エレクトロニクス業界でも活躍しています。

例えば、今手にしているスマートフォン。
内部を覗くとさまざまな役割を持ったフィルムやパネルが粘着剤によって固定されています。

スマートフォン1台でもさまざまな箇所に利用されるSKダイン™

光学用粘着剤は繊細な機能性フィルムの貼り合わせに用いられており、高いレベルの性能が求められています。

図のようにスマートフォン1台に何層ものSKダイン™が使われています。

モバイル機器に使われるためには多くのことが求められています。
新しいモバイル機器が開発される度に、「SKダイン™」も進化を続けます。

液晶ディスプレイに用いられる機能性フィルムを貼り合わせる高性能粘着剤

映像を映し出すディスプレイは、薄型ディスプレイ（フラットパネルディスプレイ *FPD）が主流です。現在実用化されているフラットパネルディスプレイ技術としては、「液晶」「有機EL」が挙げられます。

有機ELはスマートフォンなどの小型アプリケーションが中心の技術でしたが、技術の進歩によって、徐々に大型化が進み、現在はテレビやノートパソコンなど、中型、大型のディスプレイにも使用されています。

液晶（LCD - Liquid Crystal Display）は、さまざまな大きさや用途の機器に搭載されており、有機ELよりも価格が安く、コストバランスの面などから現在もフラットパネルディスプレイ技術の中心です。テレビ、モニタ一、ノートパソコン、カーナビ、携帯ゲーム機、スマートウォッチなど、さまざまな製品のディスプレイに使用されています。

液晶ディスプレイは、電気で方向を変えられる物質（液晶）をガラスで挟み込み、両側から特殊機能を持った何枚ものフィルムを重ねることによりパネルが構成されています。

これらのフィルムを貼り合わせる時に使用されるのが、綜研化学のアクリル系粘着剤「SKダイン™」です。映像を透過させるため、無色透明で密着性に優れた特殊光学設計がなされています。

ディスプレイ内部のフィルムの貼り合せに粘着剤が使用される理由の一つが利便性です。
機能性フィルムは、あらかじめ20μm程度で粘着加工されます。その後、画面サイズにカットし貼り合わせを行いますが、接着剤に比べ厚み精度を管理しやすく、貼り合わせ作業も容易、さらにリワーク（貼り直し）も可能です。

また、液晶パネルを構成するフィルムの中にはさまざまな機能や特性を持つ反面、中には環境により伸びたり縮んだりするものもあります。

この素材の伸縮に対して、柔軟に対応できることも粘着剤の強みです。追従性に優れ画面のムラを軽減するソフト系のものから、コントラスト重視のハード系粘着剤まで、材料（素材）設計に合わせた高度な設計でお客様のニーズに対応します。

光学用粘着剤に求められる性能例

1. 高透明性	高精細で鮮やかな色合い・視認性を担保
2. 密着性	剥がれが起きない、高い密着性でクリアな映像を担保
3. 薄膜強粘着性	粘着剤使用量削減による低コスト化、および軽量薄型化への貢献
4. 反り防止	フィルムの膨張や収縮に追従し、力を分散させて反りを防止
5. 剥離帯電防止性	製造工程での静電気を抑制し、異物の吸着を防止
6. 耐久性	温度や湿度などの環境変化に適応
7. 耐候性	使用年数の長期化に貢献
8. 耐衝撃性	落下時の衝撃を吸収し、破損を抑制
9. 耐腐食性	電極の腐食を防止
10. リワーク適正	リワーク（貼り直し）を可能にし、材料の無駄を削減
11. 折り曲げ耐性	フォルダブルやローラブルに適応しデザイン性を向上

「SKダイン™」は、スマートフォンなどの小型ディスプレイからパソコン、テレビ用の大型ディスプレイまでさまざまな用途、サイズに対応できる高機能粘着剤です。高い透明性と密着性によりフィルム機能を最大限に生かし、美しい画質を実現します。また耐久・耐熱性にも優れ、長時間劣化なく安定した映像を保ちます。

みなさんが今お使いのテレビやパソコン、スマートフォンにも透明な「SKダイン™」が使用されているかもしれません。

※1μm=1/1000mm

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