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【解説】シリコーン系粘着剤の特徴と用途、利点・注意点を解説

シリコン系テープ

シリコーン系粘着剤は、高い耐熱性や耐候性、耐薬品性、耐水性が特徴的な粘着剤です。耐熱性だけでなく耐寒性にも優れ、使用可能な温度領域が広いため、さまざまな用途に使用されています。

シリコーン系粘着剤の特徴

シリコーン系粘着剤は、シリコーンポリマーと、粘着付与成分のシリコーンレジンからなる粘着剤です。

シリコーンポリマーのみでは粘着力が低いため、シリコーンレジンを混合し、粘着性を調節しています。ポリマーとレジンの配合比率を変えたり、レジンの種類を変えたりすることで、粘着性能を調整することができます。

べたつきが少なく、流動性を持ち柔らかいこと、多くの被着体に貼りつくことが特徴の粘着剤なので、一般的にゴム系やアクリル系粘着剤が貼りつきにくいとされるシリコーンゴムやフッ素樹脂にも貼りつきます。

電子機器などの保護フィルムに使用される微粘着タイプは、貼る際に気泡の巻き込みが少なく、エア抜け性に優れます。

使用可能な温度領域が広く、-60℃〜250℃程度の領域まで使用可能なことも特徴です。高温環境・低温環境でも粘着剤が溶けたり固まったりすることがなく、粘着力の変化が小さいため、熱がかかる用途や、低温下で貼りつける用途でも使用が可能です。

医療用テープ

シリコーン系粘着剤は、剥がす際に皮膚を引っ張る、体毛が抜けることが少ないなど、皮膚への刺激が少なく、剥がす時の痛みが少ないため、医療用粘着テープなどにも使用可能です。

ほかにも、耐水性、耐候性、耐油性、耐薬品性、絶縁性、防水性など、多くの特徴があり、これらを活かしてさまざまな用途に使用されています。

主な用途

保護用フィルム、防水テープ、防食テープ、医療用粘着テープ、耐熱用テープ、電気絶縁用テープなど

シリコーン系粘着剤の利点と注意点

シリコーン系粘着剤の利点・注意点は以下の通りです。

利点
  • 再剥離性が高い

    再剥離性が高く、貼り直してもべたつきや粘着力が変わりません。

  • 耐久性が高い

    耐熱性、耐寒性に優れるほか、紫外線や日光にも耐えられるなど耐候性にも優れます。過酷な気候条件でも物性に大きな影響を与えないため、屋外での使用も可能です。防食テープとして、配管の屋外露出部分や、配管同士をつなぐ部分などに使用され、金属の腐食を防止します。

  • 耐溶剤性・耐薬品性がある

    アルコールなどの極性有機化合物に侵されづらい性質があります。ベンゼンやトルエンなどの、無極性(低極性)化合物には膨潤しますが、溶剤を取り除くと元に戻ります。高温環境下(100℃以上)での耐油性にも優れています。

注意点
  • 価格が高い

    ほかの種類の粘着剤と比較すると、価格が高いです。

  • 粘着力が弱い

    一般的に粘着力が弱いため、被着体へ強く貼りつく必要がある場面への使用は難しいことが多いです。

  • シロキサンによる悪影響の可能性

    ガス化したシロキサンにより、電子部品における接点障害、光学部材における曇りの発生など、製品不良のリスクが懸念されます。また、半導体用のテープなど高温環境のある用途で使用した際にはウエハ表面を汚染する可能性があります。

強い粘着力が必要とされる場合、また価格性能比のバランスから、アクリル系粘着剤も選定候補の対象になります。

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