特殊機能材
無溶剤液状機能性アクリルポリマー
アクトフロー™
綜研化学のアクトフロー™は、分子量制御技術により生まれた機能性・反応性の無溶剤型アクリル低分子量体です。無溶剤液状ポリマーとして環境対応に適し、常温流動性にも優れることから可塑剤の代替や改質剤、添加剤として使われています。
アクトフロー™の特徴
・硬化剤との混合で架橋可能
・官能基量・種の制御可能
・分子量、官能基量などお客様の要望に応じた樹脂設計が可能
・各種樹脂への改質剤として機能性付与が可能
アクトフロー™の構造モデル
【末端官能基タイプ】
各分子末端に官能基を導入しており、分子量に左右されない官能基数の調整が必要な場合に有効です。
【官能基共重合タイプ】
官能基を有するモノマーを共重合することにより比較的容易に官能基の導入が可能です。また、一分子中の官能基数を増やす目的にも有効です。
【分子末端および官能基共重合タイプ】
分子末端タイプと共重合タイプの長所を組み合わせています。また、異種官能基の組み合わせも可能で、さらに高機能化の追求もできます。
【末端官能基タイプの多量体化】
反応性の高い末端官能基を複数有する分子構造と、多分岐化した分子構造により、架橋成分・相溶化成分、熱硬化樹脂成分として特長があります。
アクトフロー™の用途例
アクトフロー™は、フォトリソ法によるレジスト材などのアルカリ洗浄性、残渣、粕取り改善用添加剤として提案しています。加えて、カラーフィルターやドライフィルムレジストへの添加剤、オレフィン・ABS・ポリアセタール・セルロース系樹脂の改質剤として実例があります。
ABS樹脂の耐衝撃性を調整する用途では大きな効果を得られます。また、多官能型のアクリルポリオールを用い、ウレタンフィルムやシート用のポリオール成分、架橋剤成分として強みがあります。
耐熱性、耐候性の高いアクリル骨格をウレタン樹脂へ導入することで、シーリング材、接着剤、ウレタンアクリレートオリゴマー、塗料、コーティング剤、フィルム、シート、発泡材などの様々なウレタン樹脂の物性調整、改良に有効です。
各種樹脂用 可塑化剤・軟質化剤
軟質塩ビ用の可塑化剤として有用です。特に塩ビゾル法での貯蔵
安定性と加熱ゾル化性、低温での発汗性のバランスに優れています。また、塩ビ以外に、EVA、アクリルなどの樹脂への相溶性も良好で、アクリルシートの低温可撓性の改良に有効です。
添加剤・改質剤
オレフィン樹脂の改質剤、ABS樹脂の改質剤として実績があります。ABS樹脂に対しては、耐衝撃性調整剤として有効です。また、ポリアセタール樹脂やセルロース系樹脂の改質に有効です。
フォトリソ用改質剤
流動性が高く高酸価の液状樹脂を少量添加する事により、フォトリソ法によるレジスト材などのアルカリ洗浄性、残渣・カス取り改善用添加剤として有用です。また、カラーフィルターやドライフィルムレジストへの添加剤としても有用です。
フィルム・シート用 ベース樹脂
アクリル骨格の優れた耐久性と透明性を活かしフィルム・シート 用ベース樹脂として有用です。 熱可塑性アクリルウレタン、熱硬化性アクリルシリル・アクリル ウレタン用ベースレジンに特に有用です。
ポリウレタン樹脂用 ベースポリオール
多官能型のアクリルポリオールを用い、ウレタンフィルムやシート用のポリオール成分、架橋剤成分として有用です。耐熱性、耐光性の高いアクリル骨格をウレタン樹脂へ導入でき、シーリング材、接着剤、ウレタンアクリレートオリゴマー、塗料、コーティング剤、フィルム、シート、発泡体などの様々なウレタン樹脂の物性改質・改善に有効です。特にHDI系イソシアネートプレポリマーとの併用により、優れた耐候性や耐熱性を有するフィルムやシートができます。
アクトフロー™のグレード(品番)
アクトフロー™は本来の高い透明性に加え、組成、官能基種・量を制御することにより粘・接着製品、軟質調整製品、光学樹脂製品等へ添加し、架橋度や柔らかさを追求する液状のアクリルポリマーです。
品 番 | 主骨格 | 官能基 形態 |
構造模式図 | 官能基当量 [g/eq] |
平均分子量 (重量平均) |
粘度 25℃ [mPa・s] |
---|---|---|---|---|---|---|
UMM-1001 | MA | 水酸基 片末端 |
600 | 1000 | 8,000~13,500 | |
UT-1001 | 2EHA | 1,2-ジオール 片末端 |
970 | 3500 | 2,000~5,000 | |
CB-3060 | 2EHA | カルボキシル 多官能 |
940 | 3000 | 4,500~8,500 | |
CB-3098 | 2EHA | カルボキシル 多官能 |
570 | 3000 | 10,000~20,000 | |
CBB-3098 | BA | カルボキシル 多官能 |
570 | 3000 | 12,500~20,500 | |
NE-1000 | BA | -Si(OCH3)3 片末端 |
620 | 3000 | 700~1,300 | |
NE-3000* | MMA | -Si(OCH3)3 多官能 |
370 (固形分換算)* |
5000 | 1,500~5,000 | |
K-009 | アクリル | 無官能 | 官能基無し | 250000 | 粉末 |
アクトフロー™の外観は無色透明液です。
※上記物性は代表値であり、予告なく変更することがあります。
適用例:ポリ乳酸(PLA)用の可とう性付与剤「K-009」
N0. | K-009(wt%) | 弾性率(N/mm2) | 伸び% | Tg(℃) | Tm(℃) |
---|---|---|---|---|---|
1-1 | 0 | 4,598 | 3 | 56 | 160 |
1-2 | 20 | 3,948 | 28 | 57 | 161 |
1-3 | 40 | 2,766 | 43 | 57 | 162 |
1-4 | 60 | 1,879 | 58 | 57 | 162 |
1-5 | 100 | 126 | 92 | 21 | None. |